医学部面接対策マニュアル完全版

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かっちゃん先生

現役の医大生
都内の高校卒業後、多浪の末、御三家医学部と旧帝医学部に合格
講師業の中で人気のあった自身の経験や医学部特有の受験情報を発信していきます。

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どうも!かっちゃんです!

医学部の面接対策に関してこんな質問をよくされます

・面接対策って何すればいいの?
面接って何を見られてるの?
・どんなことを答えればいいの?

確かに医学部の面接ってブラックボックスで採点に関しても明確な基準を明らかにしている大学は少ないです。

ですが一般的に
これをやれば大丈夫
これはやったら落ちる

と言われていることはあります。

そこで今回は、具体的な質問例と回答例を紹介しながら、医学部の面接について詳しく解説!!

ここから先はあくまで筆者の自論ではありますが、旧帝国大、関東私立御三家などの面接を勝ち抜いてきた筆者が自身の経験や周囲の合格者たちの話を元にポイントをお伝えします(^^)


ぜひこの記事を参考にして、医学部の面接に挑んでください!

始める時期

医学部の面接対策は基本的には冬前くらいから準備を進めるのがオススメです。

直前期になると1次試験対策や小論対策にも時間を取られるため、早めに少しずつ進めるのがベスト

勉強と違って長い時間がかかるものではありませんが、事前の心構えや答え方のコツなどはあるのでイメトレをしながら進めるとよいでしょう

対策


医学部の面接は大きく分けて3種類あります。

1つ目は「個人面接型」で、先生が1~3人程度に対して、受験生が1人の面談形式で行われるものです。

2つ目は「MMI」と呼ばれるものです。MMIはMultiple Mini Interviewの略で、様々な質問形式で数分の面接を何回かに分けて行う形の面接です。

詳細は以下の対策の方で紹介します。

3つ目は「団討論型」で、数人の受験生が一緒に1つの議題に対し討論をしていくものです。先生はその様子を見ているだけの学校が多いです。

学部の面接はこれらのうちのどれか、もしくは組み合わせで行われることが多いです。
(例:順天堂大学医学部は個人面接のみ
日本医科大学は集団討論と個人面接の組み合わせ)

医学部の面接試験で共通する対策ポイントと、それぞれの面接パターンごとの対策ポイントをこれから紹介していきます。

全ての面接に共通する対策ポイント

①倫理的であること

みなさんが受けようとしているのは医学部ですね。
つまり将来ほとんどは医師になり、人の命、人生に関わる職業に就く人を育成する場所です。

その面接で人の命や人権を軽んじるような発言は当然NGです。
(もちろん普段からもダメですが)

そんなこと言うわけないじゃん!
と思うかもしれませんが、こんな質問をされたらどうでしょうか?

「あなたは山岳救助隊の隊長です。
登山禁止期間に山に入りケガをしてしまい遭難した方がいます。自力では下山できない状況です。
しかし現在猛吹雪のため、救助に行くと救助隊も遭難する恐れがあります。どうしますか?」

ここでこんな答えをしてしまってはいけません。

「登山禁止期間に山に入った人が悪い。隊員を身の危険にさらすことはできないから、遭難した人は助けには行けない」

正直その気持ちも分からないことはないですが、遭難した人にも命はあります。
隊員のことを考えた結果、気づかないうちに遭難した人の命を軽んじた回答をしてしまないようにしましょう。

助けに行きたい気持ちを示しつつ、二次災害のリスクもあるから今すぐには行けないということを述べられるといいですね。

ちなみにこの手の問題はよくある質問
・専門的な技術を持った人を失うと、その人が将来的に助けることができた人まで助けられなくなる
・救助隊の二次災害が起き、元の事態より悪化することがある

という知識を持っておくといいですね

仮に私が答えるなら

「救助に行きたいという気持ちはあるが、隊長として、隊員の安全も考慮しなくてはならない。
特に今回は登山禁止期間での登山ということもあり、吹雪が弱くなってから救助を開始したい。
その期間、遭難者との連絡を取り、容態を把握したり、救助方法やルートの確認などの準備をする」

といった回答をします。

これは解答例ですが、遭難者の命と救助隊の安全の両方を考慮した回答になっていると思います。

②論理的であること

先程の遭難の例でもあった通り、面接では明確な答えがない質問もあります

そこで大切になるのは論理的であることです。

論理性は単純に自分の気持ちだけではなく、データなどを提示できると客観性が上がり、より論理的な回答を作りやすくなります。


もちろん面接の場でデータがないことも多いと思いますが、知っている事実に基づいて

「こんな風に考えました」

と言葉にして説明できるようにしましょう。

論理性については次の各面接型ごとの対策で詳しくお話します。

③最低限の知識を持っておく

これは是非やっておいてほしいのですが、医学部の面接では医療関係の知識をベースにした問題がたまに出されます

例えば、皆さん安楽死はご存知ですよね?
この記事を書いている2024年は日本では安楽死は禁止されています。
これは最低限の知識です

ここからさらに

・安楽死が許可されている国
・日本国内でのALS患者に対する嘱託殺人

などの知識があるとより良いですね。

仮に安楽死に関する質問をされたとして、以下の二つの回答例を比べてみてください。


A①「反対です。なぜなら医師は人の命を救うのが仕事で、安楽死は生きている人の命を奪うからです。

A②「反対です。病で苦しむ人から発せられた死を望む言葉は本当に死にたいというより、苦しみや痛みから出た一時的なものかもしれず、正常な判断ではない可能性があります。
安楽死を行ってしまうと取り返しがつかなくなります。

さて、どっちの方が内容が濃いでしょうか?論理的でしょうか?

言わずもがなですね笑


実際の面接ではもっと話しても大丈夫ですし、賛成でも反対でも構いません。(なんなら練習がてらどちらの意見でもやってみるといいかもしれません)

大切なのは「論理的」であることです

このように医療に関する知識があると格段に質問に答えやすくなり、また回答の中身も濃いものになってくるでしょう。

専門的な知識は不要ですが、医療の問題や、新しい技術に関することにはアンテナを張っておきたいですね。

以下に一部ではありますがあるあるテーマをご紹介します。

・安楽死
・再生医療
・出生前診断
・遺伝子治療
・宗教と輸血
・社会保険費
etc…

こういったものは小論文を含めよく聞かれるので、周辺知識をしっかり固めておきましょう!

「○○(テーマ名) 医療問題」などで検索すると色々出てきます


ここからは各面接パターンごとの対策をお話していきます。

個人面接型


ここでは受験生の個人的な考え方や倫理観、志望理由などを問われます。

<質問例>
・志望動機を教えてください
・高校の時に頑張ったことを教えてください
・どんな医師になりたいですか
など


ここからは具体的な対策をお伝えしていきます。

質問例ごとの具体的な答えのテンプレートをノートに書く

ノートを用意して、質問と答えのセットをどんどん書いていきましょう。

以下に私が実際に書いていたQ&Aの例をご紹介します

Q.医学部志望動機

A.病気で苦しむ人や困っている人の助けになりたいと思い医師を目指しました。警察官なども考えましたが、困っている人一人一人に寄り添うことができるという点で医師の方が向いていると考え、医師を目指しました。

Q.本校志望動機を教えてください

A.御校のカリキュラムは1年次から病院への見学に行ったり、低学年のうちから患者と接する機会が多く
患者と向き合える医師になりたいという考えで医師を目指した私に適した環境であると考えたからです。

こんな感じでQ&A集を作っていきましょう!


この時、次の3つのポイントを意識して作るようにしてください。

①理論が破綻しないこと

例えば、医師になりたい理由を聞かれ
「患者に寄り添い全人的な医療を提供できる医師になりたいと思っているからです」
と言ったとします。

一方で、その大学を目指した理由を聞かれ
「御校ではガンの研究が進んでいるからです」
と言ったとしましょう。

そうしたら面接官からは
「君は臨床医になりたいの?それとも研究医になりたいの?」と言われる可能性が大です。

言われなくても「この受験生、テキトー言ってんな」と減点されてるかもしれません(怖)

理論が破綻していないかどうかは他の人にチェックしてもらうのが1番です。
学校や塾の先生、友達や家族にも厳しめにツッコんで!とお願いして見てもらいましょう

お願いする人がいなくても何度もチェックしたり、時間を空けて見ることで気がつくことがあるかもしれません。

②学校理念やアドミッションポリシーを見る

志望動機などを考えるにあたり、各大学の学校理念やアドミッションポリシーなどを参考にしましょう。

どのような人物の入学が求められているのか
どのような学校理念を掲げているのか

を考えるためのヒントは書いてあります。

教育理念などは学校パンフレットに書いてあるので、願書の取り寄せと同時に必ず目を通すようにしましょう。

また、その際にカリキュラムや、附属病院の数や特色などにも注目し、面接の際にはありきたりなことだけでなく、その学校独自の強みにフォーカスして話せると他の受験生と差がつくかもしれません。

③組み合わせられるようにする。

面接では自分で作ったQ&A集通りに聞かれるとは限りません。(というかそうでないことが多い)

あまりにQ&Aの型を覚えすぎて、違う聞かれ方をされて戸惑ってしまわないように注意しましょう。

違う聞かれ方をされた場合でも応用できるように、柔軟なQ&A集にすると👍


コツは、回答の一言一句を覚えるのではなく、核となる部分を覚え、
こういう系の答えをしよう!
と決めておくことです。

MMI(minimum)型

続いて面接パターン2つ目のMMI型

MMIではいくつかの部屋に分かれ、それぞれの部屋で様々な質問をされます

<質問例>
・(絵を見せられて)この絵で分かることを述べてください。次にこの絵の状況などを推察してください

・好きな漢字を書いてください。次にその漢字が好きな理由を教えてください

・あなたは会社の社長です。部下がミスをして取引先に迷惑がかかりました。どのような対応をしますか?

このように質問があまりにも多様なためQ&A集などはまず作れないです。

そこでMMIに関して抑えておくべきポイントをお伝えしていきます。

①質問をよく聞くこと

当たり前のことではありますが、質問があまりにイレギュラーなため、慣れていないとパニックになり質問の意図とは異なることを答えてしまいがちです。

まずは質問をしっかりと聞き、場合によっては自分で要約して口にして
「まずは、○○という質問に対してですが〜」
のようにしてもいいかもしれません。

(※あまりにもオウム返しにしてしまうと、試験管からもくどいと思われる可能性があるので注意)

それくらいMMIでは(知らねぇよと言いたくなるような)初見の質問が飛んできます。

落ち着いて、質問の意図をしっかりと見抜き、見当違いか答えをしないようにしましょう。

②論理的であること

先程の個人面接の対策でもお話しましたが、論理的に成立しているかどうかが非常に重要なポイントととなります。

というのもMMIは質問形式が多様な分、答えも1つではありません

そもそも試験を行っている側も、あえて明確な答えがないような質問を用意しています

じゃあ何が求められているの?ということなんですが
学校側が見ていることの一つに

初見の質問に対して、論理的な思考を伴って他者にも説明できるかどうか

ということがあるでしょう。

論理的に正しく、相手が「確かに」と思うようであればそれは1つの正解となります。

逆にテンパって色々話した結果、矛盾が生じたり、不適切な回答をしてしまってはいけません

試験管によっては
「キミ、さっきと言ってること違くない?」
とツッコんでくることもようです…

自分の回答の論理性に注意しながら答えるようにしましょう!

集団面接型

最後に集団面接型です。

はっきり言ってこれはかなり得意不得意が分かれると思います

初対面の受験どうしで大人数で議論するとなると苦手な人はかなり厳しい面接になると思いますが、大まかな流れを理解し対策すれば大丈夫です

<大まかな流れ>
グループに割り振られる
 ↓
入室し、それぞれ自己紹介
 ↓
議題が提示される
 ↓
役割を分担
 ↓
議論
 ↓
解散

それぞれ具体的に見ていきましょう。
グループの割り振りは学校の方で行われます。
受験番号とともにグループが提示されることが多いので間違えないように従いましょう

次に自己紹介ですが、基本的に受験番号や名前を述べるだけです。
ここでは面接官に自分をアピールするのではなく、他の受験生に名前を知ってもらうくらいの自己紹介と考えてもらって大丈夫です。
何を言えばいいかは指示されることもあるので、指示があった場合は従いましょう。

そして議題が提示され、議論が始まります。
ここでは面接官は何も指示や口出しをせず、受験生たちの様子を観察していることが多いです。

また、役割の分担ですが、誰かしらが議長(進行役)となることが多いです。
進行役は話を振ったり、最後に結論をまとめるということをします。

進行役の発言例
「では○○について話し合いを始めます。私は△△と考えます。Bさんはどう考えますか?」

「CさんはBさんの意見についてどう思いますか?」

「確かに〜ですね」

「では結論として□□でよろしいでしょうか?」

この進行役は一般的にはポイントが高いと言われていますが、他の人の話をよく聞き、上手く話を振ったりしなければならず大変です。

採点基準が不明なためはっきりとは言えませんが、実力もなく進行役を買ってでた場合マイナスポイントになるかもしれません。ここに関しては誰も知らないので、慣れている人は挑戦するくらいの気持ちでいいと思います。

医学部ともなると結構やってくれる人はいます笑

一方でその他の人も試験管から見られていることを忘れてはいけません

振られた話題に関してしっかりと返答すること。
そして、なるべく自分からも発言していきましょう。

完全な受け身な姿勢は誰がどう見てもマイナスです。

<ポイント>
・発言は自分の意見とともに他の人の意見についても意見を示して、よく聞いていることをアピールする

・他の受験生の方を見て話す(ここでは面接官は見ているだけなので話し相手は他の受験生です)

・他の受験生への気配り(あまり意見が言えていない人がいたら会話に巻き込む)
など

話す内容はもちろんですが、他の受験生との協調性についても見られていると思ってください。

以上が面接パターンごとの解説と対策です。

あるあるQ&A

Q.話すのが苦手だけど大丈夫?

A.話すのが苦手な人は不利と思われがちですが、しっかりと対策をすることで乗り越えられることも多いでしょう。
特に、上述の個人面接でお話したQ&A集のように質問をパターン化することや、面接の流れを抑えておくだけでも話しやすくなるのではないでしょうか。

医学部の面接では、話す内容とともに話し方や態度も見ていると思われます。
勉強ができたのに落ちた人は、頭が真っ白になって黙ってしまったと言っていました

やはり面接という場で黙ってしまうのは避けなければなりません。

優先順位は
黙る<話す<論理的に話す

ということで万が一言葉に詰まってしまったら、「えー、そうですね…」とか言いながら考えてることはアピールしてほしいです。


Q.何をしたら落ちる?

A.明確な基準が分からないため、はっきりとは言えませんが、常識的に考えてダメなことをしたら落ちるでしょう。

<常識的にNGなもの例>
・面接官にタメ口
・試験に寝坊
・派手な服装
・非倫理的な発言や汚い言葉遣い
など

無難にやれば面接では大きな点差は付かず、筆記試験の点数のまま順位がつくことが多そうです。(筆者の周辺の人の自己採点と合格者の経験より)


Q.圧迫面接ってあるの?

A.これもよく言いますが、圧迫の基準が人それぞれなので何とも言えません…

ただ1つ言えるのは
怒鳴ったりする面接官は普通いないです笑

論理的に甘い部分を詰めてくる面接官はいますが、自分の論理が崩れそうな時にどういう対応をするのか見ているだけだと思います。

そして面接官も人なので、
話し方や声色なども人それぞれで、どう感じるかも受験生によって変わってきます。

覚えておいてほしいのは、
落とそうと思って面接をしている面接官はいないということです。

最後に

医学部の面接はブラックボックスで点数も明確に公表されていません。

不安になる気持ちもよく分かりますが、これさえ乗り越えればあとは結果を待つのみです。

この対策マニュアルを熟読して皆さんが安心して面接に臨み、合格することを願っています!!
頑張ってください!

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